今さらじゃない。今こそ声をあげる──セブンイレブンの事件に寄せて

本日のニュースで、こんな記事を見つけました。

セブンイレブンの加盟店で働いていた男性が、過労によるうつ病を発症し、亡くなったとして労災が認定された。

この男性はオーナー側に雇われた「店長」という立場でしたが、コメント欄ではフランチャイズ本部であるセブンイレブンの責任も問われています。

■「読者の声」より(Yahoo!ニュースコメント欄)

「フランチャイズ契約は単に名前を使うだけのものではなく、実質的に本部が各店の運営に関わっているのだから、問題発生時に“本部は関係ない”という姿勢ではフランチャイズ全体への不信感を招く。本部は誠意を持って対応すべきだ。」

「これはセブン本体の管理が行き届かなかった一つの事故事例だと思う。店長が休めない状況では、パートやアルバイトのシフトで対応しても、店長が抱える膨大な業務がある。進捗に異常を感知できるシステムが必要で、会社は賠償金を支払えば終わりではない。」

「どこの業種でも近年の人手不足は深刻です。24時間営業のコンビニなら尚更でしょう。
セブンイレブン本部の“答える立場にない”という責任回避の回答はいかがなものでしょうか。

確かにその店長はフランチャイズオーナーに雇われていたとはいえ、
フランチャイズ店は本部からかなり細かな指導や制約を受けており、
勝手に営業時間を変更したり、値下げ販売を行うことも許されません。

フランチャイズ店が本部の意向に忠実に沿って、
結果としてこのような事態を招いている以上、
セブンイレブンを含めたコンビニ業界全体の問題と捉えるべきでしょう。」

「セブンイレブンの仕事量は半端ない。とても2人でする量ではない。
3人でできるようにロイヤリティを見直したり、
そもそも求人が困難な地域では、営業時間の見直しも必要だ。
本部とオーナーが話し合い、対策を取るべきだし、
それが無理なら、国が法律を作るなどして
こうした店長のような被害者を二度と出さないでほしい。」


「利益率があまりにも低すぎて、アルバイトを雇う余裕もない。
フランチャイズ店舗の店主か、その雇われ社員が無理して働くしかなくなっている。
もう制度そのものに何かしらの規制をかけるタイミングだと思う。」

このニュースは、私たちが直面しているフランチャイズという構造の、あまりに重く、そして現実的な問題です。
「他人事」ではありません。


1. フランチャイズという名のもとに

「オーナーだから自由がある」「経営者だから自己責任」
そう言われてきました。

でも実際には、本部からの指示や制約、ロイヤリティ、販促負担……
名ばかりの“経営者”でありながら、私たちは日々、不自由な従属関係の中で運営をしています。

この店長の立場と、オーナーの立場、どちらも兼任しているのがアクティブフランチャイジーです。

自由があるように見えて、実はない。
そして、責任だけが重くのしかかる。裁量なき経営、保護なき労働です。


2. ロイヤリティ>“手取り”

私たちが経費を差し引いて残る「手取り」と、
本部に支払う「ロイヤリティ」の金額を比べたとき、
ロイヤリティの方が1.6倍高い——

そんなことがあっても、誰も驚かない。
それが今の現実です。

でも、それは本当に「当たり前」なのでしょうか?

リスクを背負い、現場を支えているのは私たちフランチャイジーです。
それなのに、労働時間や責任の重さに見合った報酬も得られず、
「経営者」という肩書きだけが重くのしかかる。

声を上げなければ、それが“当然”とされてしまう。
私たちは、そんな社会構造の中にいます。


3. 「今さら」と思っていた自分がいた

正直に言えば、私自身も長年この構造の中でやってきて、
「これが当たり前」だと、どこかで思っていました。

「今さら声をあげたところで……」
そんな気持ちも、確かにありました。

でも、セブンイレブンの事件で
「重度のうつ病を患い、過労で亡くなった」という一文を読んだとき、
私は胸が締めつけられました。

私自身も、耐えきれない責任を抱え、
家庭の貯金を教室運営にまわさざるを得なかった時期があります。

経済的な困窮が、やがて精神的な困窮に繋がっていく。
「経営者」という肩書きが、誰にも助けを求められなくしていく。

そんな時期が、私にもありました。

そして、なんとか持ち堪えられたのは、本部の支援ではありませんでした。

地域の皆さまのあたたかさ、教室スタッフの献身、家族の支えがあったからこそ、今があります。


4. だから、今こそ声をあげる

この経験を経て、私は「アクティブフランチャイジー」という言葉を掲げるようになりました。

同じような立場の人が、孤立せず、想いと現実をつなぎながら支え合える場所をつくりたい。
そんな願いからの一歩です。

「もう遅い」「どうせ変わらない」
そう思っていた私に、いまはこう言えます。

今さらじゃない。今こそ、声をあげるときです。

同じように声を飲み込んできた、すべてのアクティブフランチャイジーへ。
あなたの声には、力があります。

アクティブフランチャイジーご本人、それを見守るスタッフ、ご家族の方からの声を集めています。

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